KotlinのおすすめフレームワークTOP5!
Kotlinは主にAndroidアプリの開発に利用されるプログラミング言語です。KotlinはJavaの仮想マシン上で動作するプログラミング言語となっていて、Javaに似た特徴を持つものとなっています。
Androidアプリの開発はKotlinが標準となったことで、現在Kotlinの需要が高まっています。また、開発を効率化するためにフレームワークの需要も高まっています。今回はKotlinの開発で利用したいフレームワークを5つご紹介します。
Kotlinの開発でおすすめのフレームワークTOP5
具体的にKotlinの開発で利用したいフレームワークTOP5を順にご紹介します。
TOP1:Ktor
KtorはKotlinが開発するフレームワークです。プログラミング言語の開発元が提供するフレームワークですので、プログラミング言語との相性が高く、注目を集めています。
Ktorは純正のフレームワークではありますが、リリースは2018年と比較的新しいものです。まだまだアップデートが続いている状況で、これからさらに高品質なフレームワークになると考えられます。
処理が軽量
KtorはKotlinのフレームワークの中でも処理が軽量なものです。多くの処理が必要となるAndroidアプリでも、Ktorならばスムーズに処理できます。
Androidアプリはパソコンなどと比較すると端末性能の影響を受けやすいため、少しでもそれが軽量なフレームワークは、動作が安定しやすくなるメリットを生み出します。
最低限の機能のみ実装
動作が軽量である背景には、Ktorが最小限の機能のみ実装していることがあります。フレームワークといえば多くの機能を実際しているものですが、KtorはAndroidアプリ開発に利用される最低限のものに絞っています。
実装されている機能が少ないからといって、Ktorの品質が悪いということはありません。エンジニアにとって使いやすいように考えられ、作られています。
拡張性が高い
Ktorはフレームワークの中でも拡張性が高いものです。フレームワークを利用しながら、エンジニアが自分の好みに合わせて開発できるようになっています。
一般的なフレームワークは、拡張性が高いとは言い難いです。独自のルールなどが含まれていて、あまり自由に拡張できないのです。Ktorでは最低限の機能のみ実装されていて、それ以外の部分は自分で拡張できるようになっています。
動作環境が幅広い
Ktorでは幅広い動作環境が保証されています。Kotlinが開発しているフレームワークということもあり、マルチプラットフォームに対応しているのです。
基本的にKtorはAndroidアプリの開発に利用されています。ただ、実際にはJavaScriptやiOSでも動作しますので、幅広い環境向けのアプリをKtorだけで開発可能です。
TOP2:Spring Boot
Spring BootはSpring Frameworkの問題点を踏まえて開発されたフレームワークです。JavaのWebアプリケーション開発に利用されていて、基本的にはSpringの流れを汲んでいます。
Spring BootはJavaのwebアプリケーション開発で利用されますが、Kotlinの開発でも利用されています。Java向けのプログラミング言語と考えず、Kotlinでも利用できることを把握しておきましょう。
シンプルなパッケージング
Spring Bootはシンプルなパッケージングを実現してくれるフレームワークです。今までJava Webアプリケーションといえば、さまざまなライブラリが必要となるなど複雑な構造でした。
しかし、Spring Bootはこの問題を解決して、Spring Bootだけで必要なものが揃う構造となっています。結果、JavaやKotlinでのプログラミング開発の利便性を高めるものとなっています。
記述コードの削減
Spring Bootではフレームワークのルールを工夫することで、記述するコードの量が削減されています。短いソースコードで動作しますので、開発するエンジニアの負担を下げられます。
フレームワークによっては独自のルールが多く、複雑な記載が強いられる場合があります。Spring Bootはそのようなルールではなく、基本ルールさえ理解すれば短いコードの記述で済むのです。
XML設定ファイルが不要
Javaアプリケーションには基本的にxmlファイルが必要です。これらのファイルに様々な情報を記載して、コンパイルなどができるようにする仕組みです。
しかし、Spring Bootを利用すればxmlファイルを作成する必要がありません。複雑な記載が必要となるファイルの作成が不要となり、エンジニアの開発効率が上がります。
コミュニティが成熟
Springは歴史が古く、開発コミュニティが成熟しています。そのため、Spring Bootについてもコミュニティが成熟していて情報収集などがしやすくなっています。
フレームワークを利用するならば、コミュニティは成熟しているに越したことがありません。定期的な機能開発が行われていたり、質問に答えてくれたりしますので、エンジニアは積極的にコミュニティを利用すると良いでしょう。
TOP3:Jooby
JoobyはKotlinのフレームワークの中でもマイクロフレームワークと呼ばれるものです。必要最小限の機能だけを含むフレームワークで、導入のしやすさなどが特徴的です。
Kotlinのフレームワークにはマイクロフレームワークと呼べるものは限られています。使いこなすためにはスキルが必要ですが、Joobyについて理解していきましょう。
マイクロフレームワーク
最初にご説明したとおり、Joobyはマイクロフレームワークに分類されます。フレームワークに様々な機能が搭載されているのではなく、最小限に抑えられているものです。
機能が少ないフレームワークは他にも存在しています。ただ、Joobyはそのようなフレームワークと比較しても「マイクロ」の名称に恥じないほど限られたものになっています。
拡張性も問題なし
Joobyは必要最低限のフレームワークとなっていますが、拡張性には問題ありません。必要に応じて追加の機能を投入できます。
Joobyはマイクロフレームワークですので、自分たちで開発をしたり機能追加するのが前提です。他のライブラリなどとの相性はよく開発されていて、導入などで詰まる可能性は低いものです。
型安全を重視
Kotlinのフレームワークですが、型安全を重視しています。型安全はJavaで重要視される考え方ですが、Kotlinでは状況に応じて利用されるだけです。
Joobyは適切な開発を実現するために、Javaと同様に型安全を重視しています。それだけエンジニアは意識するべきことが増えますが、コンパイル時にトラブルが起きる可能性が下がるなどのメリットを生み出します。
学習コストがやや高い
Joobyはマイクロフレームワークですが、学習コストが高くなっています。これは関連するライブラリなどのスキル取得が必要だからです。
また、型安全はJavaの開発をしていなければ馴染みが薄いものです。そのため、Kotlinの開発しか経験していない人は慣れるまで扱いにくいという点でもコストが高くつきます。
TOP4:javalin
javalinはJavaとKotlinを活用するためのフレームワークです。Webアプリケーションの開発に対応していて、KotlinだけではなくJavaと併用することを想定しています。
近年はKotlinの利用がトレンドですが、Javaの利用がなくなったわけではありません。そのため、javalinのように両方のプログラミング言語が利用しやすいフレームワークも注目されています。
軽量なフレームワーク
javalinは2つのプログラミング言語で動作するフレームワークですが、動作は非常に軽量なものです。Javaで動作するフレームワークは動作が重くなりがちですが、javalinではその心配がありません。
Webアプリケーションを開発する場合、最初に必要な時間はアプリケーションの性能に大きな影響を与えます。javalinの利用によって処理時間を短縮できれば、それだけで高性能なWebアプリケーションを開発できることになるのです。
シンプルな設計
javalinはフレームワーク全体を通してシンプルな設計にこだわっています。設計がシンプルですので、フレームワークを利用するためのルールもシンプルなものです。
ルールについてはJavaとKotlinで少々異なっています。ただ、どちらにおいてもそれぞれのプログラミング言語で基本的な操作ができればjavalinを利用できます。
言語を意識する必要がない
javalinは2つのプログラミング言語に対応していますが、エンジニアはほとんど意識する必要がありません。一部ルールは異なるものの、フレームワークを別々に導入する必要はないのです。
フレームワークによっては、Java用とKotlin用が別々に開発されています。この場合は必要に応じてそれぞれを導入しなければなりません。しかし、javalinはこのような仕組みではなく、1つのフレームワークで両方に対応します。
非同期リクエストに対応
javalinは非同期リクエストに対応しているKotlinのフレームワークです。非同期リクエストは利用する機会が多いですが、全てのフレームワークで最初から実装されているものではありません。
同期・非同期リクエストの両方が利用できると、Webアプリを効率よく動作させられます。処理に時間を要しても待機時間を短くできるようになるのです。結果、ユーザビリティが高まるなどのメリットに繋がります。
TOP5:Gradle
GradleはJavaの開発を効率化するフレームワークとして知られています。比較的新しいフレームワークなのですが、それまでのフレームワークに劣らないほど需要が高まってきています。
GradleはJavaのフレームワークではあるものの、現在はKotlinにも対応しています。そのため、Kotlinで利用できるフレームワークとしてご紹介します。
jarファイルの作成が容易
Gradleはjarファイルの作成が容易なフレームワークです。JavaやKotlinでWebアプリケーションを開発した場合、最終的にはjarファイルに纏めなければなりません。
この場面で、JavaとKotlinを利用していると手間が生じてしまいます。エンジニアにとって負担となってしまうのです。しかし、Gradleを導入していればコマンドとプラグインの利用で、この手間を大きく削減できます。
Gradleがインストールされていない環境でも動作
通常、フレームワークは同じものがインストールされていない限り同様に動作しません。そのため、Kotlinのフレームワークを利用して開発しても、適切に動作しない可能性があるのです。
しかし、Gradleには「Gradle Wrapper」と呼ばれる機能があります。これを利用することで、Gradleがインストールされていない環境でも同様に動作させられるようになります。クライアントなどにGradleの環境を用意してもらわなくとも、動作確認をしてもらえるようになるわけです。
文法が曖昧
Gradleはフレームワークでありながら文法が曖昧です。省略の記載方法やシンタックスシュガーが豊富にありますので、人によって書き方が異なってしまいます。
そのため、複数人でGradleを用いた開発をすると、人によって癖が出てしまう可能性があります。この状況はシステム開発において望ましくありません。事前に記述ルールを明確にしておくと問題は発生しませんが、Gradleの利用時には注意が必要です。
まとめ
Kotlinのおすすめフレームワークについてご説明しました。いくつものフレームワークがありますので、特徴を理解して適切なものを選択しなければなりません。
特にKotlinのフレームワークはJavaと共通のものが存在します。そのようなものはKotlinにおける使い勝手が異なりますので、よく確認して採用することが重要です。
Kotlinに限らずフレームワークは、選択を間違えると開発効率を下げてしまいます。ご紹介したものであればどれでも良いのではなく、案件に応じて必要なものを利用しましょう。